社内研修報告

令和7年5月 社内研修報告

●研修テーマ

感染症・食中毒予防、蔓延防止研修

●目的

訪問介護における感染症対策の基本や、注意したい食中毒の事と対応方法について学ぶ

●内容

◎感染症とは

  病気のもととなるウィルスや細菌、寄生虫などが人の体内に侵入して、さまざまな症状が現れる病気の総称

◎感染症の種類と症状

  結核…咳や痰などの呼吸器症状、発熱や倦怠感、体重減少などの全身症状

   疥癬…頭部と首を除く全身に、かゆみや赤い湿疹、小さなしこりが出現。手のひらや 指の間(手首から先)に

  「疥癬トンネル」と 呼ばれる線上の皮疹が見られる

  インフルエンザ…急な38℃~40℃程度の高熱、頭痛、咳、鼻水、咽頭痛、関節痛、全身倦怠感、

     合併症(肺炎、脳炎など)、その他、嘔吐、下痢、腹痛等の消火器症状が現れる場合もあり

   新型コロナウィルス…発症時の症状は発熱、呼吸器症状、倦怠感、頭痛、消火器症状、鼻汁、味覚異常、関節痛など。

      高齢者や基礎疾患(慢性呼吸器疾患、糖尿病、心血管疾患等)がある人は重症化しやすいと考えられている

   MRSA…発熱、寒気、ふるえ、菌が入った皮膚や筋肉の発赤・腫れ、膿など

   B型・C型肝炎…全身倦怠感や食欲不振、悪心、嘔吐、黄疸(皮膚や目が黄色くなる)

  誤嚥性肺炎…発熱、咳、痰、食欲不振、なんとなく元気がない、など

   尿路感染症…排尿痛、残尿感、頻尿、血尿、尿が濁る、など

◎訪問介護における感染症対策の基本

3要因の対策が感染予防の基本

  • スタンダード・プリコーション

   利用者の感染症の有無にかかわらず、血液、体液、分泌物、嘔吐物、排泄物、傷のある皮膚、粘膜などはすべて感染源と

  みなし、 感染する危険性があるものとして取り扱う対応の方法

  • 感染経路別予防策

   主な感染経路である「飛沫感染」「空気感染」「接触感染」「経口感染」「血液感染」を予防する

  • 利用者・ヘルパーの健康管理

   日々の訪問業務の中で利用者の健康管理を適切に行い、「なんとなく様子がおかしい」「いつもと比べて口数が少ないな」

  など、普段との違いにいち早く気付く事が重要

  また、ヘルパーが感染者となった場合、ヘルパーを介して利用者や家族、他の職員へ感染が拡大するおそれがある為、

  自身の健康管理にも気を配る必要がある

◎食中毒とは

 病原体(細菌、ウィルス、真菌、寄生虫など)や有毒物質を含む食品や飲料を摂取したことにより起こる、下痢、嘔吐、

   発熱などの 症状の総称を指す

 ◎食中毒を防ぐ3つの原則

  • つけない

   食材や調理器具に原因菌をつけないように手指や調理器具等の洗浄、消毒を行う

  • 増やさない

   細菌は、高温多湿な環境で増殖が活発化するため、冷蔵庫や冷凍庫にて低温保存するのが効果的

  • やっつける

   原因菌の多くは、加熱処理する事により死滅する。『食材の中心部を75℃で1分以上加熱』を処理の目安とし、

   特に肉類を取り扱う際には、中心まで十分に加熱するよう調理にあたる

   

 ◎訪問介護で感染症および食中毒が発生した場合の対応方法

   ①発生状況の把握

    ヘルパーは、サービス提供時に利用者の感染症や食中毒を疑ったときは、速やかに管理者に報告するとともに、

      主治医への相談または医療機関への受信を促す

   ②感染拡大防止に留意したケアの実施

    感染拡大を防止するためにスタンダード・プリコーションを徹底するとともに、流行している感染症に応じた

      感染経路別対策を行う

   ③関係機関への報告・連携

     管理者やサービス提供責任者から、担当ケアマネジャー、主治医・医療機関等に感染状況を報告し、その利用者に

      かかわる関係者で 情報を共有する

◆まとめ・研修結果

  感染症・食中毒の対策について再認識できた。今後の支援でも忘れずに行っていきたい